舵を切る
- 土田 亮
- 2019年3月31日
- 読了時間: 5分
また筆不精になってしまいました。
かれこれ、時間も過ぎましたが、近況報告を表向きに表現できるギリギリまでしようかと思います。
実は、新年度留年することが決定しました。
もちろん、修士論文(修士号取得のためではなく、本大学院のプログラム上、中間審査、所謂QualifingExaminationは通ったのですが)は出しました。
しかし、進級のもう一つの要件である、英語の要求レベルに達していない(必須点数はTOEFL スコア80以上ですが、当方の場合72でした)、ということで留年という形になりました。
M2の2回目、関西でいうならばM3、修士3回生に入ります。
これに関しては、当方も抗えません。決まりだから、と言うより、単純に努力不足だと認識しているからです。
ただ、実際当方はこの件に関してあまり悲観的に考えていません。むしろ、1年自分で研究や英語をのびのびとできるいい機会だなと考えが切り替わりました。
もちろん口頭発表やポスター発表したり、投稿論文出したりと言った業績作りもしますが、もう少し広く学問を見渡して自分の専門である災害人類学を内観できるチャンスだろうなと思ったのもあります。実際、大学院生としてはもう少し理論的なところの勉強がまだまだ足りないなと言う実感もありましたし。ということで、本と論文をよく読む1年にする。
あとは、防災学というよりマクロな学問の視点からすれば、人類学的視座から災害という自然現象が人や社会にどのようにもたらすのか、自然災害が起こるという不可視性・不確実性が潜むリスク(厳密に言えば、洪水と言った水文・気象学的な災害はその観測から一定の発生リスクとその予防は可能ですが、地震や津波などはやはりまだまだ難しいです)といかに付き合っているのか?ということをもう少し素描する必要があると当方は思いました。
その辺は今後、統計を使って水文・気象学的な極値的な現象がどのくらいの頻度で起こるかという頻度解析や人工衛星画像を使った洪水災害前後の土地利用変化の解析を用いるとともに、これまでのフィールドワークと照らし合わせて、どのように重層的に実際の被害の経験や語りと結びつくかを検討していきたいと思っています。そして、これらの知見をもとにいかに現地の人々とリスクコミュニケーションを行っていくか、ということまで発展できるように、手始めに工学的なアプリケーションを使っていきたいと思います。投稿論文を出す1年にする。
…とここまで割と強気なこと書いていますが、強いて消極的なことを正直にいえば、私個人として経済的な支援が厳しく、自立するためにはかなり困窮している立場にあるということでしょうか。(少し誤解を与えそうですが敢えて言えば、本当は恵まれた周りの環境もあってさして厳しくはないですが、勉学に励み進学するにあたって僕一人が仮に今より下回る支援環境の中生きることを考えると、というもとで言及しています)。事実、あまり自信なく出したDC1(後述する日本学術振興会が実施する、優秀な博士後期課程の学生に研究奨励金と研究費が充てられ、特別研究員として研究に励む研究者の一つです)が幸運にも面接候補に引っかかり、面接補欠まで進んだ挙句、繰り上げ採用なしの不採用となりました。運から見放されたというより面接官に対する業績や情熱のアピールがいまひとつ他の人より足りなかったんだろうなと痛感しました。
また、ネガキャン恐縮ですが、M3というのは学業的にも社会的にも厄介なポジションです。博士後期課程に入ればいろいろ財団や研究機関から奨学金や研究資金を得られるチャンスが転がっているにも関わらず、5年制博士一貫課程の中でD1に進級ではなくM3で留年というのは制度としても非常に微妙な立ち位置にあり、取れそうなものも取れるかどうか、かなり悩みどころです。
とはいえ、面接補欠まで行っているならば、中身はそれほど的外れではなく、業績や計画のソリッドさが足りないんだろうなと思っています。むしろ、M3で5年制博士課程であれば、在学月数で日本学術振興会(JSPS)はDC1(博士1回生のみ)かDC2(博士2-3回生)の要件としてカウントします。ですので、もし僕が本当にDC1を取りたいのであれば、早めに投稿論文と英語を仕上げて、半年以上休学(インターンや留学、はたまた任期付で働く)すれば、計画や業績を加筆修正したDC1を出してそれが通れば次年度から3年間お金もらえるし、有意義に挑戦したいことができるからいいんじゃない?と考えていたりします。
この辺の休学や在学期間などの制度的なことは大学とJSPSの担当にきちんと丁寧に節度持って聞く必要がありますが。指導教員との相談ももちろん必要。今後の計画はちゃんと示さねば。
本来であれば、順当に5年で卒業する気でしたが、こうとなっては致し方ありません。博士号を取ることは諦めていませんし、その先のビジョンもあります。ただ、この現状の中であれば、抗ったり踠いたりするというよりは、むしろ、自ら舵を切ってこの期間で自分にしかできないことを精一杯やろうと思いました。
まあ、明日から新年度になって新しく後輩も入るし、先輩として振舞わないといけないので、鬱憤はここら辺にしておきましょう。冒頭に書けるギリギリまで書くと言っておきながら、めちゃめちゃ素直に書いています。驚き。
明日がエイプリルフールで、実はあれこれありましたので嘘ですと言われても、私は何も動じません。
ここに書いているのはその前日そっと出しで、ここに書いていることも嘘ではありませんし。
あ、あと最後に一つ言い忘れていました。
先日、キリキリする胃痛が長く続いていて(正確に言うと、今まで何回かそういうことはあり、胃薬や鎮痛剤で何とかしてきましたが、今回は痛みが長引きました)、さすがにまずいなあと思って病院で胃カメラ受けて検査したら(24歳にして人生初の胃カメラ、嗚咽しながら嘔吐きました)「逆流性食道炎」でした。怖いですね。
幸い、手術するほどでもなく、薬での治療ということで、胃や食道にストレスを抱えない程度に、適度に研究・学問に励みながら、英語を極め、自分の体調にちゃんと気遣いたいと思います。
また嬉しい近況があればブログを書きますね。その日までみなさんお元気で。
それでは。

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